二院制再考

01.7.19 BTI No.34より

一体この暑さは何でしょう。いつもは、時候のご挨拶がBTIの書き出しなのですが、今月は、この暑さの為、ご挨拶というよりかは、暑さに対する文句が書き出しとなってしまいました。さらに、このたびの参議院選です。毎日のように連呼される候補者、政党名。暑い上にこれですから、もう何とかして欲しいと思う今日この頃です。皆様、いかがお過ごしのことでしょうか。

法律を学ぶ意義

今年は高3受験生で政治経済の生徒がおり、私も実は大学は法学部で、刑法・刑事政策を中心に学んでいた関係上、この生徒の授業を受け持っているわけですが、現実に行われている政治と、授業で教えている政治の内容が大きくかけ離れているところに、大学で、政治・法律を学んでいく意義の矛盾を多く感じます。

単純に、経済学を学べば日本経済がよくなるわけでもなく、法律学を学べば日本の司法制度が向上するわけでも、犯罪件数が減るわけでもなく、経営学を学べば経営がうまくいくわけでもなく、英文学を学んでもシェークスピアがわかるわけでもなく…。一体何のために大学にいくんだろうという疑問は常に自分の中にはあります。

最近、やっとその答えのごく一部がわかりかけてきました。つまり、私の場合、学んでいたもの、得たものは、法律ではなく、法律学だったということです。大学の学部名も法学部法律学科ではなく、法学部法律学学科が本名だったということです。

二院制の意義

さて、この暑さで頭が変になっている私は、この参議院選で変なことを考えてみました。議会というものは、政治の先進国であったイギリスの影響で、現在は多くの国で二院政を採用しています。二院政は、意見の独善性を避けるためにもいい制度とは思います。

イギリスでは、貴族を中心とする上院と、国民から選挙で選出された下院の二院、州の権限の強いアメリカでは、人口の多少に関係なく各州より2名ずつ選出され権限も強大な上院と、人口に比例して選出される下院の二院があります(政経受講の○○さん、常識ですよ)。選出方法も、権限も根本的に異なる二院の構成で、立法が慎重に行われています。

日本の二院制改革案

翻ってわが国の二院政はどうでしょうか。かつて「良識の府」といわれた参議院は、この選挙では「政党のロボットと化したタレントの集団」に成り下がっているのではないでしょうか。ここまで行くんだったらもっと過激なことを考えてもいいと思います。

まず衆議院の定年制です。60歳を越えた人は、衆議院に立候補できない。なぜなら、国を動かすには現役を退いている人はちょっと…。でも、今まで彼らは国を動かしてきました。こういう人こそ、「良識の府」に適すると思います。そこで、参議院は60歳以上の人、つまり社会経験豊富で、今まで日本を支えてきた人だけの議会にし、さらに政党は全員離れ、各人の意志のまま活動するなんていうのはどうでしょうか。さらに悪乗りすると、名称も「参議院」から「養老院」はどうでしょうか。これは、だいぶ悪乗りしてすみません。

客寄せパンダ選挙

すみませんではすまない冒涜とは思いますが、この参議院選の候補者で小泉政権に対する各党の立てている候補者など、「小泉」ならぬ「○泉」やら、テレビで人気の女性教授、プロレスラー、などなど、本当に政党は何を考えているのかわかりません。こういう候補者達をただの客寄せパンダにするつもりなのでしょう。どっちが国民に対する冒涜でしょう。

自分の手では力が出ないから、他人の手を借りて力を高めていく。資本主義の命である実力主義はどこへいったんでしょう。今、実力主義が通用するのは、スポーツ界だけではないでしょうか。大リーグでの活躍が光るイチロー、新庄。松井だってあのバットで、20代にして年棒5億(時給17万円、1分2800円ですよ)。いやいやまだありました。学問の世界です(一部通用しないようですが)。

実力主義を貫く

どうすればプラスチックに電気が通るかと30年以上かけて地道な研究を進め、ついにノーベル化学賞を手にした白川英樹教授のことは、まだ記憶に新しいと思います。福井博士にしてもしかり、研究を何年も何年も重ね、進めて新しい分野を開拓する。こういうことができるのは、学問でしょう。そういえば(元)経済大国といわれる日本には、ノーベル経済学賞受賞者は一人もいないんですね。

さてさて、夏も本格的です。実力主義を貫き、この夏期講座・合宿に力をこめ、生徒達自分自身の力で栄冠を勝ち取ってもらいたいと思います。