宮崎の話

もう夏なんでしょうか? 地球温暖化を実感する今日この頃です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。生徒諸君はもう、新学年に慣れましたか? でも、あんまり慣れすぎは先月も言ったように困りますよ~。いいことはないので…。

宮崎県知事選挙

さて、最近、日本の政治の世界に動きがあるようです。私にとっての一番の注目は宮崎県知事選挙でした。私事ではありますが、死んだ母は、沖縄生まれで戦時中に、沖縄から宮崎に「疎開」しました。幸いなことに沖縄からの船もアメリカ軍から撃沈されることなく、うまく本土(懐かしい言葉です)に渡れたわけです。高校まで宮崎で、そのあと東京に出てきたようです。ちなみに、国語担当の横山先生はうちの母の高校の後輩という偶然もありました。驚きです。

新婚旅行のメッカ!?

宮崎といえば、その昔は「新婚旅行のメッカ」といわれた地でした。戦後の混乱期を終え、高度経済成長期にいたるまで宮崎への新婚旅行は、ステイタスでもあったわけです。大淀川畔のフェニックスの並木道、青島の鬼の洗濯岩、宮崎神宮、サボテン公園、都井岬…。などなど、美しい南国ムード満点の地でした。しかし、徐々にその地位は海外に追われていってしまい、今の若者で、宮崎=「新婚旅行」などと思う人は一人もいないでしょう。

宮崎県ってどういうところ?

九州の中でも、宮崎は佐賀といっしょに特徴のない地に納まってしまいました。福岡は九州の中心、長崎は異国情緒満開、大分は温泉、熊本は火の国、鹿児島は西郷どん、さらに南の国沖縄~。では宮崎は何ですか? 目玉の「シーガイア」は破産。いいとこなしです。

数年前、宮崎に行って感じたことがあります。宮崎は「神の国」だったわけです。ジャイアンツが毎年キャンプ時に必勝祈願する(今年は優勝をお願いします。ジャイアンツファン語る)宮崎神宮をはじめとして、青島神社、鵜戸神宮、そして高千穂峡の高千穂神社、高千穂の峰などなど…。なかなか感動的ではあります。が…。若者には興味のないところなんじゃないですかね。

東国原知事誕生

そんな低迷している宮崎県が、全国的に話題に上るようになってきました。もちろん東国原知事の誕生によってです。驚きといえば驚きです。お笑いで、たけし軍団で、逮捕歴のあるそのまんま東が知事になったわけです。

彼は、専修大を卒業後たけし軍団で芸能界入り、20年近くたって早稲田大文学部に入学、卒業後は政経学部に籍を置き政治を学び、今年の1月に宮崎県知事選に当選、知事になったわけです。妻のかとうかずこに逃げられても彼は意志を貫徹しました。前知事による県政の腐敗のあとを受けての知事就任です。お笑いタレントで県政はどうなることやら、というのが大方の予想でした。

鳥インフルエンザ

「私は心から感謝・賞賛しております。鳥インフルエンザが出たところの農場主さんと専門獣医さんが、もっと賞賛されるべき、感謝されるべきではないかな、と思っているんです。自分のところが、もしかしたら潰れるかもしれない、もう二度と農業・畜産が出来ないかもしれない、というのを覚悟で、自分のところの利益よりも、全体のこと、公共の福祉のことを考えてくださった。自分のところが隠蔽して他に広く拡散したら、宮崎県の農林水産業、畜産業、特に産出額は日本一のブロイラーに対する多大なる悪影響が出るのではないかということを危惧されて、自分のところの利益よりも、全体の福祉、全体の利益のことを考えてくださった。」

と就任挨拶で語りました。これが政治を学んできた彼の思想なんですね。

膿を出せ

「皆さんにお願いがあります。県庁内に裏金はございませんか。もし、あるのであれば、早期にその膿を出したい、と思っております。…。後で分かるようなことがあったら、また恥です。鳥インフルエンザの農場主さんや獣医師さんの、あの公共の福祉を思うという気持ちを、我々この県の職員の方々達が、一番持つべきことだと思います。」

今の政治家ではなかなか言えないでしょう。

歩く広告塔

そして、

「どれもこれも重要なんですが、私が考えるに、歳入、収入の方を増やす、つまり自主財源を増やすということが非常に重要な課題だと思います。そのためには、基幹産業である農林水産業の発展、そしてサービス業、観光業、スポーツ振興、その他ベンチャー企業、IT産業すべてに関して、宮崎県全体のパイを大きくするべく、皆様方に御努力、御尽力いただきたいと思っております。」

彼はメディアを最大限活用して、宮崎のものを全国に知らしめようとしています。知事がテレビショッピングでマンゴーを売りますか?

終わったから言いますが、あの都知事選で私が最も頭にきたのはA氏でした。宮城県知事を終わったら今度は都知事ですか? 愛情を感じないんです。東国原氏が宮崎を愛するように、東京を愛して、よくしたいから都知事選に出馬したんでしょうか?

いまどきの政治家ときたら

今の政治家たちは、自分のフィールドを本当に愛して政治を行っているんでしょうか? フランス大統領選は国民みんなの選挙でした。翻って日本では、聞くは政治腐敗ばかり。そして、腐敗の進んだ公務員。社会保険庁をはじめとして各省庁のずさんな実態…。数え上げればきりがない。だから、政治不信、投票率50%未満なわけです。

とかく自分の「幸せ」に走りがちです。しかし、自分だけが幸せならいいんでしょうか? イラクでは今でも毎日100人単位で死んでいます。北朝鮮だって餓死者が毎日出ています。日本でも、会社をやっていけなくて自殺する人も多数出ています。

本当の幸せとは

人を幸せにすること、それが自分の幸せにつながっていくのではないでしょうか。BRAIN の生徒たちには、人を幸せにする「実力」をつけてもらいたい。その「実力」をつけるための勉強を今やっているんだ、という意志を持って勉強に励んでもらいたい今日この頃です。

BRAIN TRUST INFORMATION  No.78

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