不思議な国ニッポン

気が付くともう冬のような今日この頃。秋はあったのでしょうか? 皆さんいかがお過ごしのことでしょうか。

領土問題

この夏から秋にかけて、お隣の国々との領土問題が過熱しています。韓国との竹島問題は冷静さを取り戻してきているようですが、尖閣諸島問題はまだまだ熱を帯びている様子です。

石原元都知事による尖閣諸島購入問題が大きな発端ではあるのですが、そこに石原元都知事に煽られた格好で国が介入、結果、国が購入した形になってしまいました。不思議なことが多いこの問題ですが、まず

不思議その1

なぜ東京都が東京からあんなに離れた無人島を「勝手に」買おうという発想が出るかです。まあ、都民の寄付金だけで購入しようと思っているのなら問題ないのですが、そこに都民の税金が1円でも投入されるのなら都議会の議決が必要ではないのですか? 本当に寄付金だけで賄おうとしたのでしょうか?

しかし、もし寄付金だけで島を買ったとしても、その後の固定資産税などのもろもろの税金なども寄付金だけで賄おうとしたのでしょうか? よくわからない。

不思議その2

国がただの一地方公共団体である東京都の動きに慌てて動かされた今回の事実。不思議じゃありません? 地方公共団体の後塵を拝する国の姿勢。不思議です。

国が買ったら、国有地ですか? 固定資産税とかどうなるのでしょう? 国有地は固定資産税はないのでしょうか? 国も勝手に買って、消費税とかも払ったんでしょうか? 誰が払うんですか? それこそ国会の議決が必要なのでは。

それとも秘密の内閣官房機密費から出して、今後の税金も官房機密費からの出費になるのでしょうか? 法的関係もまったくわからないので、どなたか教えていただけませんでしょうか?

不思議その3

でも一番不思議なこと。尖閣諸島の住所地である沖縄県は今回の尖閣購入問題で何か動きましたか? 沖縄県を飛び越えて東京都が購入計画を発表したのに沖縄県は何か反応しました?

日本と中国がもめて戦闘状態になった場合、直接の被害に遭うのは沖縄県ではないんじゃないかな…。はっきり言って尖閣問題が起こったときに一番緊張状態どころか危険な状態になるのは、沖縄じゃないですか。

太平洋戦争でも、唯一(硫黄島除く)に米兵が上陸したのは沖縄ですよ沖縄! ごくごく近所で紛争の火種が大火になりそうなとこですよ沖縄は。それなのにそれなのに。本当に不思議です。

沖縄県民 vs 駐留米軍&日本政府

こんな危険な状態になっても、そして日本中の怒りの矛先は中国に向いていても、沖縄県の怒りの矛先はその超危険な中国ではなく、駐留米軍なのです。沖縄では以前より駐留米軍に対しての抗議集会等が盛んに行われてきたことは事実です。さらに話をこじれさせたのは、当てもないのに口先だけで沖縄の人たちに気に入られようとして発言した実現不可能の鳩山の普天間県外移設話です。

それ以来、沖縄の怒りの矛先は、駐留米軍と日本国政府になったわけで、その上例のオスプレイ問題は政府に対する怒りをさらに増幅させたわけです。

再び沖縄女性暴行事件

米軍も沖縄県民の怒りが政府に向いてきたことで一安心していたところ、またしてもとんでもない事件が勃発しました。早朝4時に日本人女性が米兵二人組みに強姦されるという極悪非道の犯罪が発生したのです。

以前、2008年度BRAIN 通信86号に、中学生だったかが米兵に襲われ、その事件についてBTIに書いたことがあります。まあ、今回も危険な米兵のいることを知りながら早朝4時まで飲んでいたらしいので、100%この女性を擁護するわけにはいきませんが、大問題になり反米軍機運が激しく高まりました。でも、中国も危険なことは忘れてはいけないと思いますが…。

とほほ…

それに対して米軍のとった措置が、何と言っていいのでしょうか…。まったく「トホホ…」です。なんと「夜間外出禁止令」です。これを聞いたときは腰を抜かしました。いったい誰がこんなこと考えたのでしょう。幼稚すぎる。

アメリカ人って軍隊のお偉いさんでもこのレヴェルなんでしょうか…。本当に真剣に考えてこの幼稚な手段しか思い浮かばなかったのなら、やっぱりアメリカ人と付き合う必要はまったくないですな。これが米軍のお偉いさんが本気で考えた結果の結論であるならば、このお偉いさんの思考は

① 米兵の偏差値がこのくらいだから、外出禁止にすればヤツらは反省しておとなしくなるだろう。
② 日本人の偏差値がこのくらいだから、外出禁止にすればヤツらは安心するだろう。

の二つに一つでしょうね。多分②と思ったんじゃないですか

差別意識

根本的に考えてみましょう。なぜ、こんな事件が起こるのか。本質的に差別意識ではないでしょうか。まずは男が女に思う差別意識です。単純に言えば「女性蔑視」です。女は男より劣るという意識です。

世の男性諸君、東大卒の仕事バリバリキャリアウーマン(本当の発音はウマン)と知りながらその女性をナンパしますか? 「彼女、お茶しない」言えますか!? 自分が劣っていると思うとナンパなんて出来ないのです。

「こいつ軽そうだからナンパすればひっかかる」と思うからナンパするのです。あー、わたくしは清廉潔白貧乏暇無しなのでナンパなんかしませんので想像ですが。男なんて自分の方が偉いと思ったらすぐ横柄な態度に出るのです。女性を見下すのなど、当たり前だと思っているヤツは多い。

日本人蔑視

次にアメリカ人の「日本人蔑視」です。だいたい白人は自分が一番偉いと思っている奴らが多いこと多いこと。黒人を奴隷にしても平気なのです。同様に黄色人種のアジア人など、同じ人間とは思っていないんじゃないですか? しかも、彼ら白人からすれば、日本は幕末に初めて門戸を開放した後進国と思っているんです。

太平洋戦争で、アメリカは上空から油をまいて、それから焼夷弾を落とし数多くの日本人を焼き殺し、さらに原爆2発投下で日本人40万人以上を殺害したのです。日本人を人間と思っていたとはかけらも思えません。

アメリカ人は勝者、日本人は敗者。そして日本を占領し、ジープの中からチョコレートを放り投げ、日本人に与えたのです。「ギブ・ミー・チョコレート」なんて言ってる場合じゃないでしょう。完全に見下され、蔑視を受けていたのです。

今だってそうでしょう。彼らアメリカ人にとって日本人なんかどうでもいい。まして日本人女性を暴行しても何にも思っていないのが真実ではないですか?

いじめの本質

日本人も同じです。「中国人蔑視」じゃないですか? 「太平洋戦争に負けた=アメリカに負けた」であって、中国には負けていないという意識を持っている。近代化も遅れた中国は日本より下のレヴェルという意識があると思います。韓国に対しても、まして北朝鮮に対しても、そしてすべてのアジア諸国に対しても優越感を持っているのではないですか?

国内で頻発するいじめ問題も、同じ根を持つと思います。人間に優劣をつけ、優が劣を蔑視する。それが人間の性(さが)なのかもしれません。特に日本人はその中でもまず集団に優劣をつけ劣を蔑視する。次にその集団内で肩書きに優劣をつけ劣を蔑視する。同じ肩書きなら稼ぎや家の大きさ・豪華さに優劣をつけ劣を蔑視する。

肩書きばっか

初対面の人に自己紹介してください。まず自分の名前を言いますか? 「○○社に勤めています中原太郎介左衛門です」って言いませんか? そして「肩書き付きの名刺」を交換します。「ほー、○○社の課長さんですか~。それはご立派ですねー」とくるわけです。個人の尊厳は仕事と肩書きの尊厳に変わるのです。

綾小路きみまろのCDにこんなのがあります。

「社長は部長をいじめ、部長は課長をいじめる。課長はひらをいじめ、ひらは家に帰って女房や子供をいじめる。
子供は犬をいじめ、犬は猫をいじめる。猫はネズミをいじめ、ネズミは社長の服をかじるのです。」

BRAIN の生徒たちには、個人の尊厳を守ることの出来る思いやりのある人間になってもらいたいと思っています。

BRAIN TRUST INFORMATION  No.131

前の記事

いじめについて考える

次の記事

新年の決意