正直者はバカを見るのか?

10.6.20 BTI.No.113より

いよいよ梅雨入りです。洗濯物も乾きにくく、じめじめしたかび臭い日が続きそうですねー。皆さんいかがお過ごしでしょうか。生徒たちも4月から丸2ヶ月が過ぎ、新学年にも慣れた頃、だんだん手抜きも増えてくる時期になっています。今月末から来月にかけて中高生は期末テストも始まります。気合を入れて勉強していきましょう。

映画界の三悪

さて、先月は「早太郎」のお話つきの観光案内でしたが、今回はなぜ「早太郎」が私たちを感動させるかについて考察してみました。

突然ですが、映画よく見に行きますか? 私はほとんど行ったことがないのですが、たまにテレビの情報番組で映画の宣伝を見ることがあります。最近、お涙頂戴映画多くありませんか? だいたい「子供」「動物」「老人」の悲劇を映画化すれば、誰だって涙ボロボロで「感動しました!!」なんて言わせることが出来るので「子供」「動物」「老人」は映画の「三大悪」と私は日頃から言ってます。ということは史上最悪の映画が「フランダースの犬」なわけでして、許せない! と以前もBTI(BRAIN 通信のこと)で語ったと思います。そんなわけで、「動物」物語は、常に私たちを感動させます。「早太郎」しかり「忠犬ハチ公」しかり…。「ハチ」なんて、ただ焼き鳥屋のおこぼれをもらうために渋谷駅前に通っていたのが真実であるという説もあるんですよ。

疑うことを知らない犬たち

じゃあ、なぜ「動物」特に「犬」は人間を感動させるか。飼ったことのある人なら分かると思いますが、やはり「従順さ」でしょう。どんなに飼い主にひどい目に合わされていても(極端な暴力は除く)、いつも尻尾を振って飼い主の帰りを待つ「従順さ」。犬は疑うことを知りません。嘘をつきません。

リリーと早太郎

昔、BRAIN でリリーという犬を飼っていましたが、私の犬なのにマンション暮らしが長かったため、こっちの実家、あっちの実家といいように連れまわされて、ついにBRAIN に住んで、やっと飼い主の私とひとつの家で一緒に住めるようになったのはリリーが癌になったことが分かってからでした(涙)。

こんなにひどい目にあったのに、いつも私の後ろにくっついて歩き、寝るときも私の横に入ってきて、私の枕を占領して、ガーガーいびきをかいて寝てました。「犬」は飼い主を疑うなんて、飼い主に嘘をつくなんてこれっぽっちも思っていないんです。けなげだなー…

「早太郎」も和尚さんの言いつけを守って村の人たちを助けにいったんでしょう。そして、瀕死の重傷を負いながらも「ボク、頑張ったよ」と和尚さんに報告したくて遠い道のりを帰っていったんでしょう。あー、泣かせるなー(涙涙涙…)。

最近の人間ときたら

それに引き換え、今の日本人ってどうです? 政治家なんて嘘ばっかりじゃないですか。鳩山はママからの子供手当て9億円知らなかったと言ってますが、誰が信用します? 小沢も嘘つきでしょう。お前たちが知らないわけはないんだ!! 国民は皆そう思っていますよ。今度の参院選も、政策選挙ではなく、菅直人に代わって支持率上がったから会期を延長しないで今のうちに選挙やっちゃおうという考えでしょう。

人間は損得で動く。金儲け出来るなら何をやってもいい。他人を叩き落してでも、自分だけうまくいけばいい。こんな考えの人間の多いこと。いやだいやだ…。

大人の影響直撃の小学生

これが子供の世界にまで浸透している昨今。とくに中学受験する生徒たちにこの傾向が強い。つまり小学生はまだ自我を持つことが難しいので、親の影響を強烈に受ける。親が「A子ちゃんを引きずり下ろしてでもトップになりなさい」と言うと「A子なんて引きずり下ろしてやる」と素直に思ってしまうわけ。そして、それが積み重なり、性格がねじけてくる。そんな子供をたくさん見て「中学受験生は性格悪いからイヤだ」と中学受験しない子供の親たちは口を揃えて言う(ひがみもあるでしょうが…)。

BRAIN でもそう。この間、小6月例テストでのこと。最後の社会が終わる時間に近づいてきたのでしょう。教師が教室にいないことをいいことに、こそこそおしゃべり始めるのです。「この答は浮世絵でしょ…」だって。あーあ…。「人が見てないと何でもするのか。こういうのを卑怯な行為と言うのだ、お前たちは卑怯者だ!!」と翌日授業で絶叫しました。

一生懸命やることは無駄か?

最近はこんな親が増えたと言います。「一生懸命やっていい大学入って、いい企業に就職しても、何年勤まるか分からないでしょう。一生懸命勉強することに意味ありますか?」

こういう親は「生活苦しいのは政治が原因!」だとか「○○がいけないからこんなに苦しい」とすべてを他人に責任転嫁。自分の努力が足りないなんて頭の中に欠片もない。こんな家庭の子供は、初めからやる気はなく、人生はつまらないと思っています。子供を生かすも殺すも親です。親の世界では当たり前の醜い大人の論理を子供に植え付けて、子供がいい人間になれるわけありません。

正直者がバカを見る

「正直者がバカを見る」なんていうことわざがありますが、そんなに「バカを見」たくないんでしょうか。失敗したくないんですか? では、正直にやっていたらなんの得もないのですか? そんなにお金欲しい? 「成功」という名前が欲しい? 金銭欲、物欲、名誉欲など色々ありますがそんな欲望に振り回されて一番大切なものを忘れている、それが現代日本の姿であると私は思います。

でも神様は大切なものをすべて忘れたひどい人間までは作らなかった。どんな人間にも、頭の片隅に少しだけ一番大切なものを残してくれた。そのホンの少しだけ残った大切なものを、従順で、疑うことも嘘をつくことも出来ない犬たち「早太郎」「ハチ公」たちが思い出させてくれるのではないでしょうか。だから、涙が出るほどの感動を生むのでしょう。

「希望」をつかもう

「正直者がバカを見る」。こんなことも多々あるでしょう。それでも「バカみたい」と言われても一生懸命、じっくりと前に向かっていきましょう。誰に認められなくてもいい、正直に進んでいけばいい。自分の心の中にいる神様は認めてくれますよ。

そうして、みんなが一生懸命、前に向かって正直に生きていれば、世の中に明かりが差し込んでくるはずです。その光が「希望」というものだと私は思っています。生徒たちにも「希望」に向かって、一生懸命、正直に前に進んでもらいたいと思う今日この頃です。