信念を持って

今年もいよいよ、残すところあと10日ばかりとなりました。本格的な冬が到来、寒さが身にしみる今日この頃、皆様いかがお過ごしのことでしょう。

さてさて、受験生はもちろん、受験生を抱えた御家庭にとっては、これからの2ヶ月はいわば、「地獄」となるのでしょうか。受験生諸君の中には「地獄」の人もいるでしょう。しかし、私から言わせれば、いまどきの受験生は「天国」としか言えません。

勉強さえすればいいんでしょう

なぜ? 「そんなはずないだろう、デブ!!! 」という声が聞こえそうですが、単純に言って、受験生は勉強さえすればいいんでしょう。お金を出せば、家庭教師もつけられる、塾にも行ける。受験生に必要なテクニックはすべて教えてもらえる。参考書だって、問題集だって買いたい放題。そういった環境の中で、ただ、勉強すればいいだけです。

世の中で、これほど楽なことはありません。必要な知識、テクニックはみんな教えてもらっているはずです。自分は、その通りに覚えて、その通りにやればいいだけです。

「覚えろって言ったって、思考力を試す問題には太刀打ちできないよ」などというむきもありますが、合格最低点は6~7割です。

単純な暗記、解法の暗記だけでこの程度の点数は取れます。思考力を問うような問題は、やらなくたって十分合格です。第一、思考力を問うような問題など、国語を除いて、ほとんどありません。

さあ、胸に手を当ててみて~

では、私から受験生に質問します。

第一に、今まで学習した単純暗記物、つまり、社会科関係、英単語・イディオム、漢字・語句、公式類、黒板にバシバシ書いた重要事項などを、完全に100%覚えていますか。

第二に、今までにやった問題は、すべて100%で満点取れますか。

この2点が本当に確実な受験生は「地獄」ではないはずです。合格は約束されています。さあ、胸に手を当てて考えてみましょう。大丈夫? そうでなければ、合格など絵空事です。逆に言えば、この2点が完璧である、つまり与えられたことをきちんとやっているのが受験生として当たり前ですから、合格など簡単にできると言うことです。受験生は「天国」のはずです。

昔の受験生は大変でした

家庭教師、とんでもない。塾、とんでもない。問題集・参考書など、買えません。貧乏だったな~。

「いま、うちだってそうだ」と思う方もよく考えてください。車もない、家もない、ステレオだってない、テレビだってチャンネル壊れて、ペンチで回してました。携帯電話もない、エアコンない、などなど。この上、子供の教育費なんか出ません。私など、大学は私立になってしまったんで、自分で学費稼ぎました。今、そんな家庭ないでしょう。

生徒諸君。君たちは、親から散々金を奪い、勝手気まま。そのくせ、そのかけた金の分、勉強してる? 吸収してる?

峰岸先生のお母様の言葉

この11月に公認会計士試験に受かった峰岸先生のお母様の言葉を思い出します。

「親やお金なんか、いつなくなるかわからない。でも、一生懸命与えた教育だけは絶対無くならない。だから、私は必死に教育を与えています」

「殴ってでも勉強やらせてください。将来人様の前で恥をかくより、今のうちに徹底的に悪いところを直してください。」

母の力

峰岸先生など小学校5年のときから、私によくひっぱたかれたものです。机の上が整理されていないとか、口のきき方が悪いとか、姿勢が悪いとか言われて。宿題をやるのを忘れたときなどは、顔がはれ上がるまで殴りました。殴ることを肯定するわけではありません。はっきり言って、絶対すべきではないでしょう。それを承知の上で実行したことです。悪しからず。

峰岸家では、ひとつ下の妹も見ておりました。女子には手を上げないのですが、私が妹を怒ると、母親が娘に強烈なビンタです。鬼のような形相、迫力で。

妹も聖心に入り、留学などして頑張っております。峰岸兄妹が、今現在活躍しているのは母の力だと言えます。そして、その母の力を得て、彼らが必死にやったからでしょう。

信念を持って

「地獄」と思っている受験生の御家庭の皆さん。「信念」しかないと思います。自分の子供にとって何が一番必要か。それをもって彼らに接してください。

「勉強できないからか…」とか「内申がこれしかないから…」とか「三者面談で○○と言われたからショックだ」ではなく、だからこそ、自分の子供に必要なものを、子供としっかり話し合って「信念」を持って、ことにあたってください。必ず、光が見えてくるはずです。

生徒たちには、あと2ヶ月、精一杯自分の力を発揮してもらいたいと思っています。

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